処分

義兄の入院・闘病にともなって明らかになった義母の認知症は
要介護認定を受けたので、週に一度看護士さんが訪問してくれて
会話をしたり血圧測ったり、血糖値をみたり、してくれているそうです。


で、いっしょに暮らす90歳を超えている義父の様子はみてくれない(笑)
血圧測るくらいどうってことないだろうに、様子を聞くコトすらないそうで、、、徹底してますね、行政。

義父は妻を支えなければという使命感が元気の元になっているようで、
うまくできているものです。





さて、引越し騒動もようやく終わりが見えてきました。
ものが納まり、生活が始まりつつあります。

そうは言っても、足元も悪い老人が二人、新しい場所で生活を始めるのです。
想像以上に負荷がかかっています。
普通、この年齢の引っ越しは、だれかとの同居とか、施設への入居です。
ここからまた二人だけでの生活が始まるなんて、ありえないくらいの大変さでした。
弟一家が住むマンションではあるので、今までよりはいいのだろうと思うしかありません。


娘ですから処分するのは簡単です。
だけど、手をつけてはいけない、彼らのプライドを守ることも同時に必要で、
そのさじ加減がほんとうに、難しくて、ヘロヘロです。
失敗もしているかもしれない。人生の終わりに、あまり嫌な思いはさせたくはなかったけれど
仕方ないという面も多々ありました。

わたし一人でどうこうできるものではなく、
家族はもちろん、あちこちにひずみをもたらしながら、なんとかかんとか、、、です。

ひとさまに迷惑をかけながら、思いのあるものを処分して、、残された時間を生きる。
一方で生きていたかったはずの義兄の社会的背景はどんどん処分されていきます。

義兄に先立たれた義父が「長く生き過ぎた」とポツリとこぼしていたのが忘れられません。



「家族」のさかいめ

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母の、あるいは祖母の、使っていた鼈甲のもの。
ワシントン条約で売買が禁止されているのだそうで、買い取りはしてもらえず。
それなりのお店に持ち込めば使ってもらえるのかもしれませんが、てづるもなく。

鼈甲なのだから細工のほどこしようはあるはずなのに、貴重なものだからこその売買禁止だろうに
その他の方法論が紹介されていないのは、どうも納得いかないわけです。
鼈甲店に相談してみるかなぁ。



この間、ふたつの「家族」の問題に直面して、あっちこっちに顔出したり
自分のできることを見極めて動いたり、
そういう時間が続いているわけですが、、、



義兄の病気について、わたしは口を出せなかったし、出すつもりもありませんでした。
ただ、思ったことは家人には伝えていました。
実家の両親の引っ越しについて、決めたのは弟と両親で、わたしは聞かれもしませんでした。
でも、実際の引っ越しに関する作業に、彼らはちからを貸してくれるわけじゃありません。
お嫁ちゃんにしてみれば、舅姑の生活にくさびを打ち込むような作業ができるわけもありませんし
弟は働き盛り過ぎて時間がとれない。
両親があれこれ言えるのも、彼らにあれこれ言えるのも、わたしだけ。
なので、うちの子たちを動員することはあっても、すぐそばに住む姪っ子たちに、わたしが何かを頼むこともありません。


「家族」にはいろいろな境目があるもんだなぁと、しんそこ、思っているところです・・・




リップヴァンウィンクルの花嫁

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公開一周年記念、初テレビ放映、なんだそうで、日本映画チャンネルで特番が組まれている、らしい。
わたしは、契約していないので見れません。

だけどこの記念イベントに当たったので、テレビ写るかもです(笑)


この映画、岩井俊二監督脚本で、スワロウテイルとかリリィシュシュとか、あまり得意じゃなかったので
3時間だし(監督曰く、2時間59分だ)一年前はまったく見るつもりがありませんでした。

ですが、役者の顔を浮かべて本を書く「あてがき」で作られたものであること。
この前の「新しい靴を買わなくちゃ」のプロデュースが岩井さんで、
岩井俊二見直したぜーと思える映画だったこと。

で、リップヴァンを見る気になったのでした。そしたら、はまった(笑)


余命宣告を受けた女性が、共に死んでくれる人を求めて、
出会わせて出会って、寄り添って、結局ひとりで死んでいって、、
遺されたものたちがそれぞれに、再生していく、そんな話。



義兄は今どのあたりにいるのかなー
わたしたちは、どう生きていくのでしょう。


明日から、また引っ越し準備で実家へ出向きます。
現実が戻ってくるかんじ。今日はちょっとのんびり。


休暇


義兄とのお別れ会は明日。
90歳を超えた義父の選択に舌を巻いています。


信心などないからと坊さんは呼ばず、戒名もなし。
お位牌も作らず、自宅で納棺し、そのまま火葬。
墓も持たないので、散骨する、親類知人にはすべて終わってからの連絡のみ。
すべて家族だけで静かに見送る、というもの。


さすがに、家人が兄の携帯から、年に数回は集まっていたという高校時代からの友人たちに
そういうことなので、どうぞ飲み会でもして故人をしのんでやってくれとメールしました。

いや、通夜もないのです。せめていっしょにいてあげようかなと思ったのですが
クーラー入っているので寒くて退散。
一緒に夕食はとったものの、わたしたちはそのまま帰宅し
今日は、いろいろな届け出のための知識をもらいに家人だけが役所などをまわってはいますが


嫁であるわたくし、することがございません。

・・・。


実家の引っ越しの手伝いに出るわけにも、さすがに遊びに出るのも、ちょっとね、気持ちがついていかないし、で、
ぽっかり時間があきました。
義兄がくれた休暇と思って、読みたかった本を読みました。


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秋に公開される、綾野氏出演映画の原作本。
主演は二宮氏です。


どういう方が書いてらっしゃるかというと、「料理の鉄人」のプロデューサーでらした方。
さすがに料理の知識やレシピのあれこれの詳細さは、すばらしい。

このテレビ局を今はおやめになっているのか存じ上げませんが
なかなか骨太の歴史背景をを持った小説でした。

映画はまたベツモノですので、キャラクターの色とか特徴が違うのはあまり気にしませんが
現在発表されているキャストだと足りない(笑)
小説上、もっとも重要と思われる役は誰がどのように、やるのか。
あるいは違うかたちで誰かが役割を担うのか。

そういう楽しみ方を覚えて、最近は映画ばかり観ています。
せっかくの春休み、実家引越にどれだけ時間をさかれるのかと、
ちょっとイラついていたところでした。

お義兄さん、ありがとうね。

かわいがってもらったんです、わたし。
婚家には娘がいないので、お義母さんにもお義父さんにも、大事にしてもらっています。
その割にずうずうしい嫁ですけどもね。

実の親のほうがよほど気を遣う(笑)
それは期待値が違うからだと家人がいいます、そうかもしれませんね。



お別れ


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義兄が逝きました。

お医者様の余命宣告のなんと正確なことでしょう。ほんの少しプラスされたとはいえ、あっという間のことでした。

夜遅く、心臓に負荷がかかって静かに眠るように、と聞きました。



実家の始末に出ていたので、早朝高速を飛ばして夫の実家へ。
彼は病院の始末に出ていて、チューブを抜かれて静かな顔をしている義兄と対面。


老親たちは気落ちしつつも、あとの始末に動いていました。
義母がちょっと心配です。


家族でそっとお見送りすることにしました。


やれることはやった気持ちと、早すぎるという気持ちとで、夫はちょっと茫然としていましたが
老親たちを支えなければと気が張っている様子。
さきほど自宅に戻り、われわれもひといき。


できることをできることだけ。
ずっと、わたしのそばにあることばです。